ペーパー薬剤師でも「認定薬剤師」になれます

病院や薬局勤務であれば、メーカーさんが勉強会やら説明会やら実施してくれるだろうし、施設内で自主勉強を行う場合も多いだろうけれど。

薬剤師としての実務経験に乏しい(というより全くない)ので、ユーザー視点を忘れないために、自主的に勉強する機会を強制的に作るようにしています。

最近ほとんど行けていませんが・・・自己学習のために定期的にチェックしているサイトをご紹介。

卒業間近の薬学生の方や、若手薬剤師の方、薬剤師の免許を実際業務で直接使用していない方には役に立つかもしれません。

言わずと知れた、公益法人日本薬剤師研修センターの研修会。

一定の条件*1を満たせば、「研修認定薬剤師」になることができます。

2004年のスタート当初はシール貼付のための手帳を買うこと、web受講システムが多かったこと(正直、開始当初は講義やコンテンツを企画運営できるような方がいなかったからなのでは・・・)、「シール集め」だとか揶揄されたものです。
悪評高かったこの「生涯研修認定薬剤師」向けの研修ですが、ところどころ良い点もあって。
日本薬剤師会や日本病院薬剤師会に入会していなくても、現在薬剤師として業務していなくても、無職でも、薬剤師の免許保持者なら誰でも受講可能です。

医師の専門医試験と比べると、ずいぶん門戸が広いなぁ、とは思うのですが・・・。多分、勤務中断が発生しやすい女性が多い職種だからなのだろうなぁと思います。

  • 「薬剤師認定制度認証機構」認証、生涯研修認定制度の実施機関の公開講座

 「薬剤師研修センター」以外にも認定薬剤師の講座を提供する団体は薬学部を有する大学や薬学系学会を中心にいくつかあり、そのリストがサイトの左フレーム下部に公開されています*2

研修手帳の発行元、審査機関によっては、自らの団体が主催する研修を一定数受講しないと認定不可とするような独自規定を設けていたり、他施設の研修受講を転用できないケース*3もあるようです。

特に、シールを貼る手帳も、その審査機関が発行した手帳でないとダメなところもあるようで・・・
これから買う方は、研修を受ける前に、どの審査機関から認定を受けるつもりなのか、じっくり見極めてから手帳を買いましょう。(全国どこに配属されるのかわからない場合には薬剤師研修センターの手帳を取り敢えず買うのが無難かも)

そして、日本医学会系の学会に参加した場合、参加証と参加レポート(どこもA4 400字位が多いみたい)さえ提出すれば、多くの審査機関では集合研修受講の単位がもらえます。メーカー勤務であれば、業務上の学会参加やレポートをちょこっと転用すれば、提出の手間はかかりますが集合研修の代わりになります。

 

長くなってしまったので、認定薬剤師以外の研修や勉強会についてはまた別の記事にいたしましょう。 

 

生涯研修認定薬剤師のアウトラインがザクッとわかるような本、新しいものが全然ないのですね・・・Amazonで「認定薬剤師」として検索して出てきた雑誌、2016年のバックナンバーですがリンク張っておきます。

Amazonではなぜか”MR認定試験”の対策書籍ばかり出てきたのですよね・・・
本日時点の最新データによると、MRは6万人、薬剤師は30万人。なのに、MR認定試験の書籍の方が多くヒットする不思議。よっぽど製薬企業が買っているのか、はたまた薬剤師向けの書籍が売れないのか・・・。

*1:初認定時は4年以内に40単位の取得が必要。更新時は、3年毎に30単位取得が必要かつ、少なくとも毎年5単位以上を取得することが条件

*2:黄色のバナーリンクもあるけど、平成26年11月時点の情報で全く更新されていないので非推奨。最新情報はサイトの中フレームのお知らせをチェックしつつ左フレームをそのまま見るしかない

*3:https://www.kobepharma-u.ac.jp/extension/summary/faq.html

薬剤師が本当に団結するために

私が薬剤師の免許を直接使わないことを決めたのは、就職当時、あまりに薬剤師が受け身にすぎる職業に思えたからだった。

私自身、「女たるもの、手に職つけて生きなさい…」という母の刷り込み、あらゆることを悩み続け、調べ倒してからしか行動できない性格が薬学部進学に強く影響しているのを自覚していたし、大学在学中はずっと殻をやぶりたい、何か変わる方法はないのか、と考え続けていた。

そして、最短コースで直接的に診断や処方の大元に触れられる仕事として製薬メーカーを選んだのだ。

 

MRを経験したおかげで、自分からアクションを起こさない限り状況は変わらないことを経験して、「ひとまず自分から動く」のを多少は身につけられた。

また、自分の知識を元に処方が変わり得るダイナミズム、医師のアタマの中に占める薬物治療の面積はかくも小さいことを知るにつけ、内勤ベースの職種に変わってからも会社のリソースを利用して広く情報発信できる術を意識して多少なりとも身につけてやってきた。

(身バレするから実践内容はなかなか書けないけど)

 

市民や患者に直接語りかけられる薬剤師や、研究者、行政担当者でなくとも、製薬や化学等の企業に就職して専門知識を使う社員など、立場は異なっても薬剤師なら市民の健康に寄与する目的で仕事しているはず。

 

薬剤師が自分の得意なテリトリー内だけで、異なる立場の薬剤師を批判したり、至らぬ点をあげつらうことに進歩はない。

すべての薬剤師の立場を否定することなく、得意分野を横に繋げて団結することはできないか。

そういう意味で、メーカーサイトイコール悪、個人薬剤師の発信イコール善、というステレオタイプにはやはり違和感がある。

メーカーの裏側にも正しいことを伝える使命感を持った薬剤師は居るし、メーカーだからわかること、得意なことやできることもある、と伝えたい。

 

あらゆる薬剤師がそれぞれの立場で、また、ときに立場を超えて市民の薬物治療や健康にコミットしていけるよう、考えすぎず、まずは行動していきましょう。

 

 

この記事は、世界薬剤師デーの本日、SNSなどで情報発信する「#立てよ薬剤師」の趣旨に賛同して記載しました。

 

 

 

 

0歳児で子供を預けるの、良いことばかりですよ

以前の更新、「絶賛育休中」って書いてる。。かなり更新サボってしまった。
今はいろいろあって、なんとか幼稚園(長時間延長保育つき)に子どもは滑り込むことができ、相変わらず同じ会社でワーママ修行をしております。

 

復帰後かなり経ちますが、今日、会社の後輩女性(未婚)に、子育てと保育園のこと、特にゼロ歳児で預けることの不安を尋ねられました。

育休前後はあれだけ一大事!と思っていた保活や保育園のこと、当時であれば真っ先にサジェスチョンできることがあるはずなのに・・・今は子供が幼稚園に通っている身ということもあり、とっさには良いコメントが出てこなかった。。

良くも悪くも、ひとは過去のことを忘れていくものです。
そういえば、そろそろ4月入園の保育園の合否結果が明らかになりつつある頃よね、ということで、保育園を預けるうえで気づいたこと、忘れないうちに書いてみます。

我が家は第1子、子供はゼロ歳児で保育園に預けました。
当初の復帰理由は「仕事のブランクを作りたくない」という点にありましたが、振り返ってみれば、子供にとって、ゼロ歳児入園は非常に良いタイミングだったと思います。

 

<子供のために良い理由>

  1. 生活習慣が身体感覚レベルで身につく。
    保育園は基本的に、毎日同じタイムスケジュールで同じことをやるのが原則です。そのスケジュールのキッカリ度といったら、本当に先生方の努力が半端ない。。(たとえば、10時に軽いおやつ、午前お散歩、昼は12時から、午後は絵本を読んで自由遊び、帰りの会は16時で、その後延長保育の子どもたちは補食を18時から食べる、など。)
    まだまだ生活リズムがしっかりしていない子供たちは、保育園のキッカリしたスケジュールを毎日繰り返すことで、時間や生活の流れを身体感覚として覚えていきます。子どもって時間の感覚がないので、ちょっとした狂いも混乱するらしい。(確固たるエビデンスはなさそうだけど)
    自宅でワンオペ育児していると、ついつい「今日は洗濯ものが多いから、これを干し終わってから散歩ね」とか、自分や家のことを優先しちゃいがちですよね?
    保育園だけでなく、幼稚園を2つ経験しているのでわかるのですが、幼稚園は時間設定もかなりアバウト。それに、学芸会とかクリスマス会とか餅つきとか、保育園よりも大がかりなイベントごとが多いせいもあり、生活習慣を整えるのは家庭の仕事、といった雰囲気があります。
  2. 複数の目があるぶん、子供の成長に皆でいち早く気がつく
    保育士さんはやっぱり専門家。特に1人目の子供の時は早く預けて相談先を増やすべき。こどもの発達度による絵の書き方の変化、それに応じた画材の選び方、すくい方が下手な時期の食器の選び方、ふさわしいオモチャなど、わざわざ友人に電話して聞くような内容ではないけど、毎日の生活には大事な事項のアドバイスがありがたかったです。
    「子供が立つ初めての瞬間をみたのは保育園の先生」だなんてよく言うけど、仮に保育園預けなしだったとしても、いつのことだったか数年経てば忘れてしまうしね。。。子供本人は覚えていないかもしれないけど、「今日初めて立ったんですよ!」って先生に言われて、先生やお迎えに居合わせたママさんたちの皆からお祝いされる方が私としては嬉しい。
  3. 地域の関わりができる
    ベビーマッサージとか、習い事系にで知り合ってもその場で軽く話すだけだけど、毎日同じクラスで話すこと、同じ子供を見ていることで、子供や地域での関わりが少しづつ増えて、子供や親の社会性という面でも良かったです。
    また、自分の子より月齢が少し早い子を観ていると、いつ頃どんなことができるようになるのか、など、先の見通しがつくようになることも多いです。
  4. 異年齢との関わりがふえる
    上の年齢の子と自分から関わるようになるのは3歳以降ですが・・・小さい子にとっては(なにせ名札の名前も読めないし)、大抵いつも同じメンバーで、同じ場所で関わる、ということがコミュニケーション上も大事になってくるような気がします。児童館や公民館だとそうはいかない。。

<親のために良いこと>

  1. 1人の人間として行動できる時間が確保できる
    「○○ちゃんのお母さん」だけじゃないことは人間の尊厳として本当に重要だし、自分で好きなもの(辛いものとか、味の濃いものとか)を自分の稼いだお金で好きなだけ食べられる自由くらい、授乳中だったり会話が成り立ちにくい小さい子供を育てている中だからこそあって良い。
  2. 保育園に入りやすい
    保育園の1歳児クラスの定員は、ゼロ歳児クラスの持ち上がり人数を含めていること、保活をしていない方はほとんど知らないのですよね。。地域によってはゼロ歳児でないと1年以上待たないとチャンスがないということもあるらしい。
  3. 子供の様子をより注意深く見ることができる
    復帰すると、子供と接する絶対的な時間が減るのは間違いのない事実。でも、保育士さんのアドバイスなどもあるのでより客観的に見られるし、観察や対話時に集中力が上がります。
  4. 仕事のカンを失いきることなく、”前線復帰”の意向を周囲にアピールできる
    産休復帰後の女性をおマメさん扱いする上司がいるとか、女性の業務が限定されているとかの方は特に。復帰後もコンサバティブな服装で出社して、人事面談では3割増しで意向を話しておくと良いですよ。。

そういう私も、保育園の内定連絡後は、「しばらく子供と一緒に居られなくなるのね」とか、この世の終わりみたいに寂しいと考えていたけれど。
子育ては数十年スパンで続くのだし、月単位で子供も変化して、ぐんぐん楽しくなってくる。「そんなこと考える暇あったら、晴れの日に公園行けたでしょ!もっと散歩してあげて!子どものにおいを記憶に焼きつけておくんだ!保育園の布団カバーはマジックミシンに外注し、離乳食はレトルトでいいから!」と、心から育休当時の私に言ってやりたい。。

書いてみたおかげで、今度なにか聞かれたら、いろいろアドバイス言えそうな気がする。
4月復帰が決まった新米ママさんの背中をやさしく押せるといいなぁ。。

復帰前リハビリに「gacco」

ただいま絶賛育休中の私。
産休から通算すると仕事を休んでいる期間は一年を超えていて、部署ではもはや復帰や生存すら怪しまれているんじゃないかと…

育休中はビジネス書を読んでもなかなか頭にスカッと入らないし、我がことと思えないというか…通信教育を受けることも考えていたのですが(ウチの会社、完全受講したら一部費用を負担してくれるのです)、子どもと一緒にいることを大事に、子どもや家庭のことを考える期間にしようと割り切りました。

とはいえ、休みも長くなってきて、子どもも大きくなって、なんとか自分の時間を捻出できるようになってきたので、これ、やってみてます。

mooc、流行ってますね〜。
子ども用もあるみたい。

産業横断的にタッグ組めるし、大学や企業のPRにもなるし、このJMOOCに入れた会社は発展するだろうな…
私が今受講しているのは「マネジメント入門」。グロービス大学院の講座です。

スマホでもアクセス可能なようなのですが、復帰のリハビリとして受けているので、私はPCで受けてます。
講座内容が仕事に関わるから、ということもありますが、デスクワークのリハビリにもなるかなぁ…笑


このブログについて

結婚相手の収入や仕事する場所に依らず、一生働ける仕事として、中学生の頃から戦略的に薬剤師という道を選んだはずでした。
しかし、思いがけない方向に進んでいくのが現実というもの。
大学の授業や知識などは働くうえでのベースとして役立っているものの、全く薬剤師として働かず新卒入社で入った会社にかれこれ何年居るのか…子育てしながら働く中で日々考えたことを綴ってみたいと思います。